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注目の職業?! 客船の船医というお仕事

医者マンガブームが客船にまで! 客船船医のコミックがスタート

ビッグコミックで連載された「クルーズ」は若い船医が主人公
『Dr.コトー診療所』(小学館ヤンクサンデーコミックス)や『医龍-Team Medical Dragon-』(小学館ビックコミックス)、『ブラックジャックによろしく』(モーニング・講談社)など、医師を主人公にした漫画が根強い人気です。そんな中、とうとうクルーズ客船の船医を主人公にした『クルーズ』(小学館/ビックコミック)という連載まで登場しました(現在は単行本になっています)。

丸窓が船の中らしい客船の中の病室
『クルーズ』の舞台は、日本を周遊する豪華客船「フェニックス」の船上。エリート医師でありながら、なぜか船上で働き続ける山田公平医師が問題を解決したり、ヒューマンなドラマを繰り広げていく1回読み切りのストーリーです。40?60代の男性という『ビックコミック』(小学館)の主要読者に、同連載と共にクルーズが浸透するとよいな……とガイドの夢も広がります! マンガではなく、北杜夫氏の『どくとるマンボウ航海記』や、永井明氏の『あやしい船医、南太平洋をゆく』、西丸與一氏の『ドクター西丸 航海記』(海事プレス社)など、実際に船医としての経験をエッセイにまとめた書籍もあります。医師にとっても、船上で働くというのは、憧れであり、興味深い現場ということがわかります。

客船の医務室、どんな診療をしてくれるの?

英国人で英国の医師免許を持つプリンセス・クルーズの船医。肩章の赤いラインは血の色を象徴しているとか
乗客としての私たちは、あわよくばお世話になりたくない“船医”さんですが、客船に医務室があることは、他の旅とクルーズの旅との大きな安心の差でもあります。ある意味、クルーズの旅は「お医者さん&医務室付きの旅」。こんなありがたい状況はありません。

日本船も外国船でも、基本的にかなり近代的な医務室があり、医師と看護婦さんが常駐しています(ただし、日本船の場合、急病人が出た場合でもすぐ港に戻ることができる1?2泊程度のクルーズの場合、船医は乗船していないこともあります)。

通常、医務室には診療時間がありますが、いざとなれば、24時間体制。簡単な手術(盲腸炎など)はできる手術室や入院もできる施設が整っています。

広々とした待合室
乗客が船の医務室を訪れる理由の大半は、船酔いや、怪我やねんざ、風邪など。船酔いの場合、薬や注射などで対処します。怪我というのは、船上で転んだり、ドアに手足を挟んだりする人が多いためだとか。また旅の疲れや環境の変化で体調を崩し、風邪や腹痛の症状を訴える人もいます。

気になるのは、陸でも海でも「医療費」。日本船は医療費がかからない場合もありますが、基本的には自由診療で、診察や薬代など、かかった料金を請求されます。旅行保険に入っていれば、保険でカバーできますので、保険に入るのをお忘れなく。

重病人が出た場合はどうなる?

簡単な手術なら行うことができる客船の手術室
重篤の患者が発生した場合は、次の寄港地で陸上の病院に搬送したり、緊急の場合は、最寄の港に臨時寄港やヘリコプターによって患者を移送し、最善の医療を受けられるように手配します。さまざまな港や国をめぐるクルーズでは、どの港でどのような要請をして、医療体制の受け入れをしてもらうかも、船医の重要な仕事です。

残念ながら、長めのクルーズでは、乗客が途中で亡くなることもあります。そのような場合は、次の港で遺体を下ろし、空輸でご自宅に戻ることになりますが、多くの客船には、それまで遺体を保存する大きな冷蔵庫のような施設もきちんと備えられています。

多くの薬も積み込んでいるが、飲み慣れた薬は必ず持参しよう
日本船であれば、ある年齢以上の乗客は、乗船前に診断書を提出する必要があります。いずれにしても、旅行の前は体調を整え、高血圧などの慢性疾患がある人は、飲み慣れた薬を日数分プラスαを必ず持参しましょう。船の医務室にも薬は準備されていますが、数や種類に限りがあり、同じものがあるとは限らないのです。


次は、お国柄によっても違う医務室の様子を紹介!

外国客船の医務室はどうなっている?

撮ったレントゲンは陸上で専門医が診る連携プレイ(プリンセス・クルーズ)
外国船の医務室も日本船同様に、とても近代的です。日本人にも人気が高いアメリカのプリンセス・クルーズは、医務室で撮ったレントゲンがすぐさまアメリカ本土の提携病院に衛星回線を使って、画像データで送られ、専門の医師がリモートで診療や治療をアシストします。

ちなみにもともと英国船会社P&Oの傘下にあったプリンセス・クルーズの船医は、英国の医師資格を持っているドクターたちです。外国船の場合、診察代も意外にシビア・診療時間以外は時間外料金が、客室まで往診に来てもらえば、往診代がかかります。

多くの客船は医務室近くにコンドームの販売機を設置
お国柄が見えておもしろいのは、イタリア客船。船上結婚式やハネムナーが多いこともあり、照れながら避妊具をもらいにくるカップルが次々と……。中絶が厳しく咎められるカトリックの国でもあり、納得です。

外国船に乗船するときに気をつけたいのは、慢性疾患がある場合、英語の診断書および飲んでいる薬の成分を英語名で書いたものを持っていくこと。日本語の薬名では何の薬かわからないことも多いためです。他の薬を処方してもらうとき、副作用の予防にもなります。語学に不安がある方は日本人コーディネーターの乗船している船を選び、医師にかかる時も通訳をお願いするといいですね。

次は、診療だけにとどまらない船医の苦労あれこれをどうぞ

幅広い船医の仕事……やはりドラマになりそうです

クイーン・メリー2には香港生まれのドクターが乗船
日本船も外国船でも、船医の方によると、「一番、大変なのはクルーの精神的な部分を診ること」とのこと。長い期間、プライバシーもなく、長時間ハードな仕事を行うクルーの健康管理も船医の仕事なのです。

家族と離れて、ホームシックにかかるクルー、さまざまなプレッシャーで精神、肉体的に参ったクルー、休暇から戻ってきて船上で妊娠が分かる女性クルーもいます。クルーの出身国や家庭環境なども配慮しながら、カウンセリング的なことも行う必要があります。

船医になるのは倍率が高い?!

日本寄港も多いクルーズ・ウエストの「スピリット・オブ・オセアヌス」の船医。なんでも相談できそうな人柄が心強い!
乗客もしかりで、船医は内科、外科、精神科など幅広い専門領域を必要とされます。そして一番大切なのは、船内での治療が厳しい時はその状況を見極めて、陸上搬送などの的確な判断や手続きを行える手腕も求められます。

また、船内の医療だけでなく、いろんな国をめぐる船ですから、上陸する国の検疫官と、乗客に伝染病患者がいないかなどのやりとりをするのも仕事です。

2人用の病室。見かけは普通の病院と同じ!?
船医に憧れる医師は多くいますが、現在は客船の数も限られているので、なかなか狭き門。さらにすべての科を診ることができる経験と海外でのやりとり、またもてなす船会社側の人間として、社交能力も問われるため、なかなか適当な人材がいないのも事実だとか。

ちなみに、前出の北杜夫氏や永井明氏は、遠洋漁業の漁船や貨物船の船医でした。陸と船との通信状態もよくなったためか法律も変わり、現在はどの船も船医が必要な訳ではなく、多くの一般乗客が乗る客船が、船医の主な活躍場所となっています。

船医と会うのは、医務室ではない場所で……

2008年11月に引退するクイーン・エリザベス2のにある待合室
客船は限られた空間ですから、SARSやノロウィルスなど伝染しやすい病気が起こりやすいのも事実です。あれやこれやと忙しい船医に迷惑をかけないためにも、私たち乗客も自主努力を心がけましょう。各所に設置された消毒液でこまめに消毒したり、無理をしない旅程で体調を整えるなど、自分自身でも楽しいクルーズ対策を行いたいものです。

ナースとドクター。パーティー会場にドクターがいない場合は急病人がいるのかも!?
ウェルカム・パーティーやフォーマル・ディナーの時は船医もオフィサーの服装に身を包んで登場しますので、船医と会うのは、オフィシャルなシーンだけにできるとよいですね。



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