写真をクリックすると拡大表示されます
カナダの流氷の上に、ごまちゃんに会いに行く
「ごまちゃんに会いたい」。
そう思い立ち、カナダ行きのチケットを取りました。
2回乗り換えて、小さな飛行機はマドレーヌ島というカナダ東部の小さな島へ着陸。
白い“ごまちゃん”の本当の名前は「たてごとあざらし」。
2月前後に流氷の上で生まれます。
白いのは1〜2カ月で、だんだん毛が抜け、灰色のあざらしになって海にデビューします。
ごまちゃんに会うにはヘリコプターで出産が行われた流氷を探すことから始まります。
天候の悪い日はヘリコプターが飛べない日もあり、島にカンヅメになったりもします。
「ごまちゃんに会うからには、ごまちゃんの着ぐるみを着て、同じ格好で会いたい」。
そう思い立って、ふわふわの生地を2メートル買い込み、縫い針を消しゴムの中に忍ばせて、
飛行機に乗りました。
長いフライトのおかげで、すてきな、ごまちゃんの着ぐるみができました。
しかし、現地に行くと、危険があるので防水防寒を兼ねた“つなぎ”を全員が着なくてはいけません。
がーん。
仕方なく、オレンジ色の“つなぎ”を着せられて、ごまちゃんのいる流氷へ。
います、います。ごまちゃんが、います。
お母さんはときどき海から戻ってきて、自分の赤ちゃんにお乳を飲ませるので
ごまちゃんを触ることはできますが、
においの線を消してはいけないので抱き上げることはできません。
ということで、ほふく前進。ごまちゃんの隣に行くと、つぶらな目で見つめ返してくれます。
でも、眠いのですぐ眠ってしまいます。
お母さんが戻ってきたらお乳をもらって、安心してまた眠ります。
すやすや。すやすや。
役に立たなかった、お手製のごまちゃんの着ぐるみは、天候が悪くてヘリコプターが飛ばない日に
同じホテルに泊まっている方々(といっても島には一軒しかありません)に
“ごまちゃん気分”を味わっていただこうと、着ていました。
ニセごまちゃんなのに、皆さん、かわいがってくれてありがとう。
2月になると、またごまちゃんに会いに行きたくなります。