クルーズ旅行の基本から、エリア&客船選び、乗船までの流れ、船や寄港地の楽しみ方まで解説!

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不思議な客船のイベント、厨房ツアーって?

航海日に突然開催されるイベントとは


優雅なダイニングの裏はどうなってる?
どこにも寄港しない航海日の日、船内新聞には「Galley Tour」というイベントが載っている日があります。Galleyとは、船や飛行機の調理場のことを指していて、いわゆる「船の厨房ツアー」とでも言うのでしょうか。

ジムやエステ、ライブラリー、カジノ、ショッピングなど、船内に遊び場はいっぱい。さらにワイン教室やクラフト教室、ビンゴなどイベントも盛りだくさんなのですが、なぜか外国の客船でよく催されるのが、この厨房ツアーなのです。

たしかに、広いダイニングに1,000人以上が同時に座り、いくつものメニューからそれぞれに好きなものをオーダーするのですから、「こんな大人数に、あんなに素早く料理を出すキッチンってどうなっているのだろう」と知りたくなるものです。


いざ厨房へ。しかし、きれいすぎて無機質
そんな乗客の好奇心に応えようと、企画されるのが、この厨房見学なのでしょう。同様に、以前は船を操船する「ブリッジ・ツアー(操舵室見学)」も行われていましたが、こちらは安全確保のため、行われなくなりました。本来ならば、ブリッジ・ツアーも船の仕組みや操船など船に親しんでもらえるよい機会だったので、残念なことです。

ということもあり、今や厨房ツアーはブリッジ・ツアーの代わりも兼ねて、大人気のイベント。基本的には昼食と夕食の間の時間などに行われ、参加は無料。決められた時間にダイニングなどに集まり、20〜30人のグループになって厨房をめぐります。

8万トン、定員約1,800人の客船、ダイニングと厨房で働くクルーの人数は?!

サラダを準備中のクルー。2,000名分は果てしもない数
では、アメリカのプレミアム客船ホーランド・アメリカ・ラインの『ウエステルダム』(8万2,000トン/乗客定員1,848人)のダイニングと厨房の様子を見てみましょう。

2回制のダイニングシステムを取る同船は1回で約900名が夕食を取ることができるメインダイニングがあります。ちなみにダイニングで働くのは、
 ●メートル・ディ(給仕長)1名
 ●副メートル・ディ 5名
 ●ヘッド・ウエイター 8名
 ●ウエイター 67名
 ●アシスタント・ウエイター 34名
 ●ルームサービス・ウエイター 10名
 ●ドアマン 2名
 ●ワイン担当(ソムリエ) 14名
このほか、特別レストランの「ピナクル・グリル」を含めると153名のサービス・スタッフが働いていることになります。

ちなみに厨房では、
 ●エグゼクティブ・シェフ 1名
 ●副エグゼクティブ・シェフ 1名
 ●副シェフ 4名
 ●各部署の担当シェフ 15名
 ●ベーカリー(パン担当) 6名
 ●ペストリー(デザート担当) 8名
 ●肉のカット担当 3名
 ●アシスタント・コック 31名
 ●見習いコック 4名
 ●食料庫担当 23名
 ●クルー用厨房シェフ 1名
 ●クルー用厨房担当 4名
 ●その他(皿洗い/ごみ担当およびそのエリアの監督など) 32名
と、合計135名が厨房で働いています。

いざ、バーチャル体験、厨房では何が起きている?

ディナーではどんなメニューがどんな盛り付けで出されるのか写真になっているので、ウエイターたちも写真でチェックする。写真は見学中の乗客
では、実際の厨房を見てみましょう。広いスペースにステンレスのテーブルや機械が整然と並ぶ様子に少し驚くかもしれません。というのも、ツアー自体が食事と食事の間に行われるので、食材や何かを調理している場所がないので、ガランとしているのです。しかし、テーブルも機械も床もピカピカ。大勢の人が同じ料理を食べるので、厨房の衛生についてはとても厳しい規制が要求されるのです。

厨房の見取り図




見かけはがらんとしていますが、各部署ではどんなことをしているか、ちょっと紹介してみましょう。

●ベイカリー
1日に20種類のパンを焼きます。具体的には、食パン120斤、フランスパン100本、ロールパン4,000個、クロワッサン800個、甘いデニッシュパン800個など。グリルコーナーなどで食べるハンバーガーとホットドック用のパンのみ出来合いのものですが、それ以外は全部船上で焼き上げたものです。
●魚介類
魚担当のシェフとコックが腕をふるいます。港で仕入れてきた新鮮な魚は最大で200キログラムを同じ日に調理して出すことが可能です。もちろん、冷凍の魚やロブスター、エビなども保管しています。
●最も忙しい場所
ディナーの最中、一番忙しいのは「ホット・キッチン」と呼ばれる場所です。スープやメインの料理などが準備される場所で、ここからウエイターたちが次々と料理をダイニングに運ぶのです。責任者が一皿、一皿の盛り付けと仕上がりを確認し、オーダーを間違えないようにウエイターが熱い皿をしっかりと受け取ります。
●目立たないけれど大切な場所
皿洗いだけでも果てしない仕事量……
厨房で大事なエリア、それは皿洗いのエリアです。ガラスと陶器を洗う場所は分けられています。ここで洗われるものは、大きなディナー・プレート(大皿)3,000枚、デザートプレート7,000枚、小さめにサイド・プレート2,000枚、グラス5,000本です。専用の機械で洗いますが、ここで働く人は1日に10〜11時間、皿を洗い続ける大変な職場です。また、調理場の横でシェフやコックたちが使った鍋や容器を洗うのも重要な仕事です。
●3,000人分の食材を収納する場所
2,000人近い乗客とクルーが1週間のクルーズ中に食料不足に陥らないように、貯蔵庫にはしっかりと食材が仕舞われています。3つの巨大な冷蔵庫、5つの冷凍庫、3つの解凍室、3つの貯蔵庫があり、使用期限や使用するものは厳しく管理されています。
●気になる残りものや廃棄物
近年、環境に配慮して客船から出る廃棄物は細かく区分され、様々な工程を経て廃棄されます。例えば食べ残しなどは乾燥させた後、焼却されます。その灰は陸から最低12マイル(約20キロメートル)離れたところで、海に流されます。また燃えないゴミはコンパクトにまとめられ、港に着いた時に専門業者に渡されます。ガラスは粉砕し、アルミニウムはの缶は塊にして、リサイクル業者に渡されます。

一週間に消費される、びっくりな食材量!

厨房ツアーでは、夜のデザートを作っているパティシエなどを見ることもある
では、同船で1週間に消費される主な食材を挙げてみましょう。

●牛肉と加工牛 5,393キログラム
●鶏肉     1,730キログラム
●魚      850キログラム
●魚介類    1,168キログラム
●バターとマーガリン 759キログラム
●新鮮な野菜  6万2,370キログラム
●じゃがいも  3,515キログラム
●スイカ    1,043キログラム
●卵      2万3,040キログラム
●乳製品    5,204リットル
●砂糖     430キログラム
●キャビア   9キログラム
●小麦粉    1,428キログラム
●アイスクリーム 1,135リットル

冷静に見ると、すごい量ですね。せっかくのクルーズなので、お腹いっぱいおいしいものをいただいてしまうのも理解できます。ただし、食べ過ぎにはご注意を。

番外編 ラグジュアリー客船シルバーシーの豪華&おいしい厨房ツアー

厨房がまるでお祭り会場になったようなシルバーシー・ウィスパーの厨房ツアー。様々な料理がいただける
カジュアル客船やプレミアム客船の厨房ツアーはやはり人気もあり、多くの乗客が詰めかけるので、担当のクルーが厨房の説明をしていくのが精一杯。ところが、ラグジュアリー客船の場合は乗客も少ないので、凝ったツアーを演出する客船もあります。

それがシルバーシー・クルーズです。同社の厨房ツアーは、厨房をお祭りのように飾り付け、そこで料理も食べることができます。厨房を見ながら、実際にいつも料理を作ってくれるコックさんやシェフと話をしながら、試食できるのです。


いつもは出会えないコックさんたちと交流できる機会
船があまり大きくないので、厨房までエンターテイメントのスペースと活用しつつ、さらにおいしい思いも楽しんでもらおうという、クルーたちの心意気が伝わってきますね。

見学だけであろうと、料理が楽しめようとも、千人単位の食事を準備してくれる、客船のキッチン、ぜひあなたも機会があったら、厨房ツアーに参加してみてください!


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