ドレスコード

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カジュアル

これで安心!ドレスコード カジュアル編


客船の多くは、夕方から寝るまで、その日のドレスコードが決められています。「カジュアル」「インフォーマル」「フォーマル」と3つのドレスコードのうち、今回はカジュアルについてご説明します。実際にいろんな船の乗客の方のファッションを見て行けば、なんとなくイメージがつかめるかもしれません。

寄港地や日中のデッキなら、動きやすくて快適な服を


カジュアル客船のデッキカジュアル客船のロイヤル・カリビアン・インターナショナルでは日中デッキではこんな自由な服装で過ごせます
「カジュアル」のドレスコードは、乗船した日や下船する前日(荷物をパッキングしてしまうため)、また寄港地のある日に多く設定されます。

これは初日や寄港地で疲れて帰ってきた乗客にあまり負担をかけないように……という船側の配慮です。基本的には日中に船内や寄港地で過ごしているようなラフな格好で大丈夫。









船内のダイニングプレミアム客船のホーランド・アメリカの客船でも日中はこんなにラフな格好。パレオやアロハなどクルーズのエリアに合わせて楽しむのもいい
寄港地や船内では動きやすく、暑さや寒さをしのげる快適な服装をお勧めします。ただ、その日のドレスコードが「カジュアル」だからと言って、そのままディナーの席へ向かうのはできれば避けたいところです。

寄港地から帰ってきてすぐディナーが始まる時やちょっと疲れてしまった時、私も思わずダイニングに直行してしまうことがありますが、ここはあえて「船の上」ということを意識して、一息おいてから食事に行きたいもの。もちろん、時間に遅れることはできませんが……。




次は、「カジュアル」の日でも気をつけるべきことを紹介します。




デイナー前には日中の服装から着替えて、さっぱりと


カジュアルディナーカジュアル客船ロイヤル・カリビアンの「カジュアル」の日はみんな実にラフな服装
寄港地での散策や船上デッキで過ごしたあとのディナー。ちょっと疲れ気味でも、できればシャワーなどを浴びて、着替えることをお勧めします。翌日の日中に着る予定の服でも構いません。

2時間近くかかるディナーは社交の場でもあります。汗をかいたままだと失礼にあたる場合もあります。シャワーを浴びる余裕がなくとも、汗を拭いて、身なりを整えて行きましょう。食事の時に香水はできる限り避けたほうがよいですが、女性ならばアクセサリーやストールなどでちょっと変化をつけるのもいいですね。


リンセス同じカジュアル客船という分類でも乗客の年齢も若干高いプリンセス・クルーズでは若干ドレスアップ
「スタンダード」または「カジュアル」と区分けされる客船では、どんな格好でも特に細かいことは言われませんが、それでも短パン、Tシャツ、ビーチサンダルは避けたいもの。男性なら、襟のついたシャツにスニーカー、女性なら簡単なワンピースなどがよいでしょう。



次は、乗る船のカテゴリー(区分)によっても随分違う「カジュアル」事情をご紹介



高級船なら、カジュアルのときもジャケットを


「プレミアム」「ラグジャリー」に区分けされる客船では、ドレスコードがカジュアルでも、皆さんさすがにおしゃれです。男性はジャケットを羽織ったり、女性の服装もカジュアルであっても質のよい生地やデザインがよいものを着ているのがわかります。

ホーランドプレミアム客船ホーランド・アメリカだと、ジャケットを着る男性も多い
「フォーマル」では誰もがおしゃれをするので気になりませんが、「カジュアル」の日だからこそ、意外に差がでます。自分が乗る船がどの区分なのか、どんな船なのかを、乗船前に確認して、それらしい服装を準備するのが、快適なクルーズライフを送るコツとも言えます。

外国船なら日本らしい生地を使ったものやちょっとした思い入れのあるアクセサリーなどをつけることで、テーブルメイトとの話題も広がります。ラフな日だからこそ、気軽に会話も弾むかもしれません。そんなムードもぜひ楽しんでください。



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インフォーマル

これで安心! ドレスコードインフォーマル編


一体、インフォーマルってどんな意味?


インフォーマル男性はスーツと女性はちょっとかしこまったワンピースが定番
ラフな格好で構わない「カジュアル」や、正装である「フォーマル」はわかっても、その中間の「インフォーマル」はちょっとイメージが湧きにくいかもしれません。
インフォーマルのお手本まさにインフォーマルのお手本のようなご夫婦。プリンセス・クルーズの客船でのインフォーマル・ナイト


日本語に訳せば、「インフォーマル」は、形式張らない、正式でないという意味。服装の場合は、略礼装と呼ばれるものです。夜であれば、男性なら紺やグレーのダークスーツにネクタイ。女性はドレッシーなワンピースや、スーツ、ブラウスとスカートなどが当てはまります。

正装でないため、自由度も高くなりますが、「盛装」ではあるので、気は抜けません。乗っている客船を快適に楽しむには、その客船のグレードやドレスアップ度を知っておくのがベストです。




あなたの乗る船のグレードは?


ラグジャリー客船クイーン・メリー2のディナーはインフォーマルでもドレス度がぐっとアップ
ここにある上下の写真はすべて「インフォーマル」の夜の写真です。かなりドレスアップ度が違うのがおわかりいただけるかと思います。というのも、客船のグレード(「スタンダード(またはカジュアル)」「プレミアム」「ラグジャリー」など)によって、スタイルはかなり違ってくるのです。

カジュアル船カジュアル客船でのインフォーマル。ラフなパンツスーツで十分!


カジュアル船と呼ばれるスタンダードタイプの客船であれば、男性ならシャツとジャケット、またはジャケットなしのシャツだけでも大丈夫です。女性も綿のワンピースやカジュアルなスーツなどでも十分です。張り切ってスーツとタキシードを持っていったけど、スーツ1着で十分だった……なんてこともよくあります。







プレミアムプレミアム客船でのインフォーマル。やはりスーツとワンピースがきっちり
「プレミアム客船」ならば、男性はやはりスーツやダークスーツ、女性もおしゃれなレストランに行くくらいのドレスアップをしていく方が無難です。ただ、同じプレミアム客船でも航海するエリアによってドレスアップ度が少し違います。カリブ海なら若干カジュアル、地中海ならドレッシーに……と使い分けてもいいですね。





ラグジャリーな客船なら、それなりの服装を


ラグジャリー仕立てのよさそうなスーツと、奥様も本物ジュエリーが輝く
気になるのが、ラグジャリー客船です。フォーマルほど華やかではないので、服の「上質さ」が際立ってくるのが、実はこの「インフォーマル」なのです。仕立てのよさやドレスの生地のクオリティー、ジュエリーの上品さなど、できれば本物志向で勝負したいところです。


私もカジュアル客船では「フォーマル」として着ているドレスを、ラグジャリー客船では、「インフォーマル」として着ます。また、アクセサリーも「フォーマル」の時はドレスに合った少々派手めなものにしますが、「インフォーマル」は祖母や母から譲り受けたアンティークの本物ジュエリーを着けます。



カジュアル客船女性にとってインフォーマルは民族衣装やお気に入りの個性的なドレスが着られるよいチャンス
女性の方であれこれ考えるのは苦手……という方は簡単な訪問着でもいいですね。小紋や紬でも十分、「インフォーマル」として着ることができます。

少々難しい「インフォーマル」ではありますが、周囲の乗客の服装と、自分が持参した服装が違っても、とくに問題にはなりません。客船のグレード、自分の好み、荷物の量を考えつつも、「着ていて、楽しい」と思えるのが一番大切なことです。

「せっかくの機会」と思って、ドレスアップを積極的に楽しんでみませんか。

フォーマル

これで安心! ドレスコード フォーマル編


せっかくのフォーマル、ドレスアップを楽しみましょう


キュナード「クイーン・エリザベス2」でのフォーマル。英国伝統の服装もあり、若い人も思いきりドレスアップを楽しんでいる
「クルーズ」=「ドレスコードが難しそう」。そんな不安を持つ理由の一つは、3種類のドレスコードの具体的な違いがわかりにくいこと。そして「フォーマルってどのくらい豪華に気飾らなければいけないかわからない」と理由からきているのではないでしょうか。

ガイド記事の「これで安心!ドレスコード カジュアル編 」「これで安心! ドレスコードインフォーマル編 」で、何度か説明をしてきましたが、同じドレスコードでも、客船のグレートによって、ドレスアップ度はかなり違います。

「フォーマル」の場合も、客船のグレードでかなり違いますが、この日ばかりは、どのようなグレードの客船でも、乗客の多くが「華やかに着飾って楽しんでしまおう」という思いを持っているのは共通かもしれません。

「フォーマルの日」は、キャプテン主催のカクテルパーティーの日やフェアウェルパーティー(さよならパーティー)、または終日航海日でちょっとのんびりと船上ライフを楽しんでいる日に設定されています。

荷物を持っての移動がない旅だからこそ、ドレスアップして夜を楽しむという、クルーズならではのイベントをぜひ積極的に楽しみたいものです。

次は、客船のグレード別のフォーマルの流儀を紹介!


カジュアル客船なら気軽に華やかなドレスアップを


カジュアル船イタリアのカジュアル客船MSCクルーズのフォーマル。男性はスーツ、女性はちょっとドレッシーに。カジュアルなこれで十分!
カジュアル客船の場合、男性のタキシード率は10〜20%と考えましょう。もちろん、よい機会と捉えて、タキシードを着ても、このグレードの客船は、大きなきらびやかな客船が多いので浮くことは決してありません。

アメリカを代表するカジュアル客船のカーニバル・クルーズ・ラインなどでは、船上でタキシードのレンタルも行っているので、気が向いたら、借りて着るのもお勧めです。というのも、わざわざ日本から持参するには、靴やカフスなど小物も多く、荷物がかさばるので、「無理しない程度」がベストなのです。

カジュアル船アメリカのカジュアル客船、ロイヤル・カリビアンの船で初クルーズという3世代親子
カジュアル客船の場合、そんなにドレスアップをしないでよい一方、「日本では恥ずかしくて着れないわ」というような思い切ったドレスを着る楽しみもあります。

ちょっと派手でなかなか袖を通す機会がないドレスがあれば、ぜひ持参しましょう。きらびやかな船内では、どんなドレスでも意外にしっくりきます。

適当なものがない場合は、発着地や寄港地で買ってしまうのも一つの手です。アメリカやヨーロッパなら、華やかなドレスが安価で買えます。普段着ないようなドレスを着て、船上にいるプロのカメラマンに撮影してもらえば、いい思い出になるはずです。




プレミアム客船なら、一段シックなカクテルドレス


プレミアム船歴史のあるホーランド・アメリカ・ラインでのフォーマル
カジュアル客船より少々落ち着きがあり、サービスも上質な「プレミアム客船」であれば、男性のタキシード率はぐんと上がります。6割くらいがタキシード、3割がダークスーツくらいでしょうか。

女性も「とっても華やか」を若干トーンダウンして、シックにすると洗練されたフォーマル感が出ます。圧倒的にロングドレスが増えるのも、このプレミアム客船から。

ドレスアップ度はその上のグレードである「ラグジュアリー客船」とあまり大差がありません。ただ、小型客船が多いラグジャリー客船より、人数が多いのでちょっと全体の傾向と違っても目立たないのがありがたい限り。ラグジャリー客船に乗る前に、プレミアム客船で雰囲気をつかむのもいいですね。

プレミアム船若い人もきちんと正装するのがプレミアム客船
不安な方は、「黒、ロング、光る素材」をキーワドにまとめればうまくいきます。黒のロングドレスだとさびしい印象がありますが、光沢のある素材を織り込んだ生地や、スパンコール、ビーズのついたものであれば、キラキラ感が増し、フォーマルらしくなります。さらにオーガンジーやキラキラしたストールなどを羽織れば、ばっちりです。


次は、ちょっと緊張するラグジャリー客船のフォーマルを公開!





ラグジャリー客船では良質のフォーマルを


ラグジャリー手の込んだ美しいアクセサリーが黒いドレスをぐっと引き立てている
ラグジャリー客船でのフォーマルは一層華やかです。男性のタキシード率は8〜9割にぐんとアップ。女性のロングドレスも個性的なものが増え、バリエーションが出てきます。少し裾を引きずるような長めのマーメイドラインであったり、中世の舞踏会を思わせるふんわりしたものだったり……。

また、背中が大きく開いていたりして、露出度が上がるのも特徴かもしれません。想像するに、このグレードの客船に乗る乗客は年を重ねてもエステなどでお肌のケアも欠かさない女性たち。大胆なドレスが似合うのもなるほどです。





ラグジャリー船男性も白いタキシードが多いのがラグジャリー客船の特徴

そして、他のグレードの客船と、ラグジャリー客船のフォーマルの大きな違いは、多くの乗客が「フォーマルを着なれている」ということです。クルーズの旅だけでなく、生活の中でいろんなパーティーで正装をすることが多いので、品よく華やかな服装を自然に着こなしているのがよく分ります。

男性も黒いタキシードだけでなく、白やグレーなど、いろんな色のタキシードやドレスシャツ、蝶ネクタイ、カマーベルトの方がいます。日本ではまだ黒いタキシードが圧倒的なので、これを機にタキシード研究をしてみてもいいですね。



正装した自分と周囲の雰囲気を楽しむのが、フォーマルの極意!


ラグジャリークイーン・メリー2のカクテル・パーティー
ラグジャリー客船の乗客は「フォーマルを着なれている」と書きましたが、だからといってひるむことはありません。日本人の正装である着物を着なれている方であれば、ぜひ慣れた着物にしましょう。

この場合は絹で柄が大きくつながったもの、華やかな色のものがお勧めです。男性も袴を着る方もかなりいらっしゃいます。英国男性が英国貴族の正装だったキルトスカートを着るのと同じです。いろんな国の正装が見られるというのも、客船という国際的な舞台だからこそ。

おっかなびっくりの「フォーマル」も一度体験すれば、「ああ、こんなものか」と安心するはずです。さらにアレンジして楽しみたくなるでしょう。女性であれば、船上の美容室に行って、ぜひヘアもドレスアップ! 服装だけでなく、気持ちや振る舞いもきりりと引き締めつつ、優雅な時間を思いっきり楽しんでください。


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