地中海

初クルーズは世界遺産と美食の地中海へ

歴史と文化、そして景観&リゾートの両方が体験できるのが地中海

ポルトフィーノイタリアの地中海沿いの港町、ポルトフィーノ
初クルーズに地中海をお勧めする理由は、主に2つあります。ひとつは、見たり、体験できることが多彩で、どんな方にとっても興味深いエリアであること。そして、陸路で行けば乗り換えなど大変な行程になるルートが、船であれば、自由自在にめぐれるという、“クルーズならでは”のルートであることです。

誰にとっても興味深いエリアというのは、まずはローマ時代、中世の遺跡、ルネッサンスなどの建物、またカトリックやイスラムなど、その時代下で優勢であった宗教色が建物にも見られ、歴史や建築に興味がある方にはもってこいのエリアです。世界歴史遺産も多く、毎日1〜2ヵ所の世界遺産があるエリアをめぐります。


教会様々な時代、様式の教会があちらこちらで見られる
一方で、地中海は自然の景観もすばらしい場所が多いことで知られています。海の色はもちろん、フランスの地中海沿岸は“コート・ダ・ジュール”と呼ばれ、世界屈指のビーチリゾートとしても知られています。イタリアの沿岸はもちろん、ギリシャ周辺も美しさではどこも引けを取りません。

教会様々な時代、様式の教会があちらこちらで見られる

付け加えれば、ワインや食など、それぞれに個性がありながら、日本でも人気の銘柄やお料理も味わうことができます。そのような意味で、どんな趣向の方でも、それぞれに楽しみを見出せるのがこの地中海なのです。



次は、地中海クルーズの主なコースを紹介します




フライ&クルーズでイタリアから乗船する1週間コース

地中海クルーズといえども、日数もルートも船会社や日程によってさまざまです。一般的なのは、イタリアまで飛行機で行って、そこから客船に乗ってめぐる6泊7日のクルーズです。

遺跡西地中海も東地中海もローマ時代の遺跡が多く残る
1週間のクルーズで、4〜5つの国を訪ねますが、EU諸国が主要なので、両替も不要。クルーズ初心者にも、テーマある旅を叶えたい人にも、絶大な人気を誇るルートです。

地中海クルーズと総称されますが、大きく分けると、「西地中海」と「東地中海」とに分かれます。西地中海クルーズは、イタリアのジェノバやサボナという北イタリアの港から出航し、ローマやナポリ、シチリア島、またフランス南部のビーチリゾートのカンヌ、マルセイユ、またはスペインのバルセロナ、世界遺産で有名なマルタ島などの中から3〜4カ所をめぐります。コースによっては北アフリカのチュニジアに寄る場合も多いので、エスニックな魅力に触れることもできます。

フランス西地中海クルーズで立ち寄ることの多い、フランスのコート・ダ・ジュール(ニースやカンヌ)
東地中海クルーズは、イタリアの美港、ベネチアを出て、バーリ(寄港地ツアーで、世界遺産のアルベロベッロに立ち寄ることができます)、近年人気の高いクロアチアの世界遺産都市ドブロブニク、そしてギリシャのカタコロン(オリンピアへの最寄り港)、世界的に有名なミコノス島やサントリーニ島などに立ち寄るコースが人気です。





西と東、どっちの地中海を選ぶ?

ベネチア東地中海クルーズの起点となるイタリアのベネチア、ここから船で旅立つ美しさは息を飲むほど
西地中海か、東地中海かは悩むところです。ガイドも甲乙つけることができません。ただ、言えるのは、どちらかの地中海クルーズに参加すれば、客船で歴史ある美しい街に寄港していく素晴らしさの虜になる方は多く、もう一つの地中海にも思わず参加したくなるということです。

地中海クルーズの季節は5月から9月くらいまでなので、2年かけて“東&西地中海めぐり”というのもいいですね。また、客船によっては、2週間くらいの日程で、西と東の両方の地中海をめぐるクルーズを行っているので、時間が取れれば、一緒にめぐってしまうのも方法の一つです。

ミコノス島東地中海のハイライトはギリシャの島々



ちなみに、客船にはシーズンを目指して予約が入っていくので、遅くても行きたい日程の3カ月前には予約を入れてもらうようにしましょう。最寄の大手旅行会社やクルーズの専門旅行会社に、日程や予算を告げて、適当なクルーズ候補を挙げてもらいましょう。


次は、寄港地だけではない、地中海の魅力をどうぞ


毎日違う国をめぐれるのが地中海クルーズの醍醐味、それもバッグ一つで!

ドブロブニク陸からアクセスしにくいクロアチアの世界遺産、ドブロブニクにもクルーズでなら簡単に

地中海クルーズの場合、毎日のように違う港、違う国に寄港します。朝、目が覚めたら歴史的にも有名な町が目の前にあり、日中はその土地を、船が用意した観光ツアー(寄港地ツアー)や、自分で地図を見ながら、思い思いに観光します。夕方、船に戻って出航。夜は船内で食事やショー、音楽、カジノ、ショッピングを楽しんで、就寝。眠っている間に船が次の国に運んでくれるので、こんなに楽な旅はありません。

毎日、持ち歩くのはカメラや財布などの入った小さなバッグのみ。スーツケースを開けたり仕舞ったりすることなく、数カ国をめぐることを体験すると、クルーズの快適さがよくわかります。

ナポリ美港として名高いイタリア、ナポリの港も船からアクセス


また、もともと地中海は船での交易が栄えた町が多いので、そのような町に船でアプローチできるのは、ロマンに満ちた体験でもあるのです。


次は、重要な“客船選び”。参考にしてください!



どんな客船で行く? 個人旅行? パッケージツアー?

ギリシャの島ギリシャの島から自分の客船を見下ろしてみよう!!
フライ&クルーズと呼ばれる、日本から海外へ飛行機で飛び、そこから客船に乗船する方法は、日程も金額もコンパクトになるので、人気があります。
地中海のシーズン中は世界中からさまざまな客船が集まり、世界中から多くの乗客が客船に乗りにきているのです。そこで、次に出てくるのが、「どんな客船を選べばいいの?」という疑問です。


客船には船のサイズとして、小、中、大型、そしてサービスや料金に合わせて、スタンダード(カジュアル)、プレミアム、ラグジュアリーと呼ばれる区分があります。大型船になれば、なるほど金額は低め、さらに大型客船にはスタンダード、またはプレミアムのグレードの客船が多いのが特徴です。
3万トン前後の小型客船の多くはラグジュアリーな客船で、乗客人数も少なく、サービスに当たるクルーの人数は多くなるため、料金も高くなります。同じ地中海クルーズでも、大型客船が寄港できないような小さな島や珍しい港に立ち寄ることができるのが特長です。
初めてのクルーズで、ほどほどの予算で行きたいときはカジュアル客船かプレミアム客船を選びましょう。語学に自信がない場合は旅行会社が作っているパッケージツアーでの参加がベターです。一度、パッケージツアーに参加してみて、「これなら個人旅行でも大丈夫」と思えたら、あとは気ままにクルーズ選びを楽しむのもいいですね。

パッケージツアーといっても、クルーズの場合はプライベートな時間も多くありますし、自由行動もできるので、団体行動が苦手で二の足を踏んでいても大丈夫な場合が多いかもしれません。





地中海クルーズなら、客船のお国柄も重要です!

イタリア客船イタリア客船のMSCクルーズ、船内もイタリアンなインテリア

カリブ海クルーズやアラスカクルーズなどでは、基本的にアメリカの会社が多いのですが、地中海クルーズのリーダー格は、イタリアの客船。「コスタ・クルーズ」「MSCクルーズ」という2大クルーズ会社が、いろんな地中海ルートに多くの客船を配船しています。
また最近では、ヨーロッパクルーズの人気の高まりを受け、アメリカの大型客船も地中海などのヨーロッパクルーズに多く就航しています。



コスタこちらもイタリアの老舗会社、コスタ・クルーズ。パスタやイタリア料理ならお任せ!
イタリアの客船会社が面白いのは、乗客がインターナショナルなこと。イタリア人だけでなく、スペイン人、ドイツ人、イギリス人など、多くのヨーロッパ人が乗っています。ですので、船内の公用語は約6カ国が使われます。さまざまな国籍の乗客と片言ながらもコミュニケーションができたり、船上もヨーロッパの雰囲気。イタリア料理が充実しているのも嬉しいことの一つです。


ロイヤル・カリビアン・インターナショナル」「カーニバル・クルーズ・ライン」などは、アメリカ人乗客が多めで、英語が船内の主要な言語。「とりあえず、英語でコミュニケーションを図りたい」という場合は、アメリカ系の客船を選びましょう。ちなみに、上記のイタリア系の2社とアメリカ系2社のグレードは「スタンダード(カジュアル)」。タキシードの着用率も高くないので、荷物を少なめにしたい方、あまりドレスアップをしたくない方にお勧めです。

同じアメリカ系でも「ホーランド・アメリカ・ライン」「プリンセス・クルーズ」「セレブリティ・クルーズ」などは、カジュアル客船より、若干グレードが高く、タキシードかダークスーツが必要です。とくに地中海クルーズは日程が長めなので、船内でのパーティーや社交も増えてきます。上質でおしゃれな地中海クルーズを楽しむことができるでしょう。



歴史とロマンの地中海は世界中の人々から愛されるクルーズの定番!


国や国境が生まれては解け、宗教や文明がぶつかっては、融合する……それでも絶えず人の往来があり、旅の舞台であった「歴史の十字路」。それが地中海です。

「リゾート満喫」「歴史探訪」「色や自然を堪能」という楽しみを準備して、あなたの初クルーズ・デビューを待っているはずです。世界中の人々を惹きつけてやまないこのエリアを、ぜひゆったりと客船で旅してみてください。



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