クルーズ旅行の基本から、エリア&客船選び、乗船までの流れ、船や寄港地の楽しみ方まで解説!

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日本人の粋な船遊び、東京湾の屋形船

客船よりも日本人に馴染みやすい?! 屋形船での東京湾クルーズ

お台場に浮かぶたくさんの屋形船
隅田川やお台場を訪れた時などに、屋形船の姿を目にしたことがありませんか。特に夜にお台場周辺に集まる何隻もの屋形船は、夜の海に光が映り、今や東京が誇る景色の一つとも言えます。

主に宴会などに使われる屋形船ですので、機会がなければ、なかなか乗ることもありませんが、貸切も15名くらいから可能、カップルなどで参加できる乗り合い形式もあるので、意外に簡単に体験できます。

客船で寄港地をめぐる“クルーズ”は西洋文化が発祥ですが、日本人が江戸時代から楽しんできた舟遊び、屋形船も川や海と親しむ一つの方法です。

万葉集の時代からあった?! 歴史ある屋形船

歴史のある江戸の船遊びは今も
屋形船の原型となる船については、世界最古の歌集「万葉集」でも詠われているほど、歴史が古いようです。日光や雨露をしのぐために作られた「苫」(とま)が発展していき、貴族の遊船、官船などが屋形船になっていきました。

江戸時代、江戸は隅田川などを中心とした河、掘りを使った水上交通が発達し、江戸の文化や経済が栄えます。それと同時に、屋形船は大名や武家、商人たち遊びの一つになっていきます。金、銀、漆、絵画などで、船内外に装飾を施し、芸者衆と乗り込んで遊ぶのが一般的。

通常は定員20名ほどの船が多かったのが、有力な大名が自前で、大きく、豪華絢爛な船を競うように造るようになりました。あまりの盛り上がりぶりに、幕府が規制を敷いたほどだとか。

江戸時代と見える景色は違っても、海や川を楽しむのは同じ
日本全国でも屋形船が作られ、桜を愛でたり、俳句を詠んだりする風流な遊びとして、庶民の間にも広がり、明治、大正、昭和初期と人々に愛されていきました。

屋形船の人気に影を落としたのが、昭和20年代の太平洋戦争での敗戦、その後の、東京湾河川は水質汚染。またコンクリートの殺風景な堤防も屋形船から眺める景色を奪い、廃業する船宿も増えてしまいました。

屋形船が再び東京に戻ってきた!

再び東京に戻ってきた屋形船
今のように、東京で屋形船が再び盛り上がってきたのは、昭和の終わり。バブル期頃からでしょうか。休業していた船宿が再開したり、釣り船屋が屋形船を始めたりして、現在は屋形船を出す船宿が東京だけで60カ所ほどあると言われています。

品川、浜松町、月島、深川などに船宿が多くあり、持っている屋形船の数やタイプはそれぞれ。ただ、基本的に2時間半くらいの航海をしながら、てんぷらを主にした食事と、飲み放題で1名1万?1万5,000円ほどが相場です。

貸切人数は15名くらいから。船の大きさによっては、乗客定員が100人以上の大型船もあります。個人で乗船したい場合は、インターネットで乗り合いの屋形船を探してみましょう。また、団体で借り切る場合はその団体が乗りに行きやすい場所にある船宿を探し(遠い場合はマイクロバスのサービスがある場合もあり)、早めに予約を入れましょう。

花火大会の日はもちろん、歓送迎会、忘年会、新年会、お花見の季節は混みますので、とにかく早めの予約を。花火大会など特別なときは東京湾に停泊する料金を徴収されるため、料金が上がることもあります。

いざ、屋形船を体験!

まるで巨大宴会場のような船内
さて、実際に屋形船ではどんなことが行われるのか、紹介してきましょう。まず船宿に向かいます。川の近くにあることが多いのですが、さらに船までは数メートル歩くこともあります。ここからは、先日新しく新造された深川 富士見の、第三十五富士見、通称「北斎」の様子をお知らせします。

靴を脱いで、乗り込んだ船内は巨大な料亭と居酒屋を足して2で割った雰囲気。掘りコタツ式なので、足も楽チンです。すでに、お刺身や前菜がテーブルに並び、全員が船に乗り終えたところで、出航。

1万5,000円のコースのお食事、この後も続々と。ドリンクも飲み放題
マイクやカラオケもあり、進行役の軽快な乾杯で、宴も始まります。外の景色もゆっくりと川から海へと変わっていきます。飲み物も基本的には飲み放題、揚げたてのてんぷらもどんどん運ばれてきます。

クーラーや暖房などの空調はもちろん、きれいな水洗トイレも完備なので安心。この「北斎」は初の禁煙屋形船とのことで、どうしてもタバコが我慢できない方は後方にある屋外デッキの「喫煙所」で吸います。


ウォシュレット付きのきれいなお手洗いも
深川 富士見は日本で一番古く、規模が大きい船宿だそうです。現在7隻の屋形船を擁しているとか(その他、釣り船も)。今回の「北斎」(142人乗り=乗客132人+船員10人)は5代目と6代目の苦労の結晶。このような最大級の屋形船を造れる職人さんがほとんどいない中、何度も新幹線で三重の造船所まで足を運び、完成の運びとなったとか。

内装にもこだわりがたくさん。できるだけ、外の景色が見られるように、通常の屋形船より大きめの窓を使い、結露で窓が曇ることがないように、さらに二重ガラスを使用しています。屋形船初のベビーベッドや喫煙コーナー、ウォシュレット付トイレもあります。

広い窓と二重窓で景色が楽しめるように工夫
また江戸で生まれ、両国や深川周辺で育ったという葛飾北斎の作品がさまざまな形で飾られているのもこの屋形船の特長です。赤富士の代表作、富嶽三十六景「凱風快晴」や晩年の作品「富士越龍」など、北斎ファンならずとも、日本の風情がさらに楽しめます。

台場で錨を下ろして、船上からの夜景を満喫

低い水面から見上げるレインボーブリッジは客船から見るものとはまた違う美しさ
料理もお酒も進んできたころ、屋形船は主要な停泊スポットへ。多くの場合、お台場のフジテレビ前(舞浜や隅田川、浅草橋を中心にめぐるコースも)。最近は展望デッキ付の客船が多いので、船の上に上がって、潮の香りや夜景を堪能することができます。「北斎」に至っては屋外デッキには、おしゃれなベンチが。台場などの陸から見る景色とはまた違います。高さのあるレストラン船や客船ともまた見えるものが違うのが興味深いですね。

再び、船が錨を上げて走り始めると、乗客は船内へ。窓越しにレインボーブリッジや、勝鬨橋や永代橋などの橋を眺めつつ、デザートをいただきます。あっという間の2時間半のクルーズがこれで終了。

屋上デッキに上がって景色を楽しむ。ベンチも有り!
屋形船の良いところは、季節ごとにお料理も変わり、船から見える景色もかわり、通年を通して楽しめること。また同じ宴会でも、いつもとはちょっと違う経験を、みなで体験ことにより、思い出に残ることです。限られた空間を共有するという意味でも親睦度が深まりそうです。

季節を通して風情を楽しめる
景色は変われども、昔から粋に楽しまれていた、屋形船という日本独自の文化を、私たちも堪能し、未来へも残していきたいものですね。

また、この屋形船、最近ははとバスツアーなどにもっ組み込まれ、海外からのお客様にも大人気だとか。日本の食事、日本の宴会、そしてちょっと対称的な大都会・東京の景色を眺められるので納得です。海外からのお客様のおもてなしや商談時などにもいかがですか。


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