クルーズ旅行の基本から、エリア&客船選び、乗船までの流れ、船や寄港地の楽しみ方まで解説!

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快適なクルーズを支える日本人スタッフの力

船言葉が不安な外国船、解決法があります!


スタッフが着る制服は朝と昼、フォーマルの日など数種類を使い分け、船内の雰囲気づくりに一役
個人旅行で外国船に参加したいけれど、語学も含めて不安がたくさん……という場合は、日本人スタッフが常駐している客船を選びましょう。食事のメニューや船内新聞などが日本語でもらえる上、何か困ったことがあった時も相談に乗ってもらえます。

最近は日本人が多いクルーズに日本人スタッフを乗せる船がぐんと増えました。同時に「外国船で働いてみたい」と憧れる人も。一体、日本人スタッフにはどうやったらなれるのか、またどんな仕事内容をしているのでしょう。イタリアの船会社MSCクルーズに勤める湯澤美由紀さんにお話を伺いました。

日本人乗客の船内生活を快適にしてくれる心強い日本人スタッフ


常にいろんな乗客が訪れるレセプション。下船する日などは問い合わせの乗客で長蛇の列になることも
藤原
湯澤さんの職種というか、肩書きは何になっているのですか。
湯沢美由紀さん(以下、湯澤さん)
外国船で働く日本人スタッフには2種類あります。「日本人コーディネーター」と呼ばれるのは、日本の販売総代理店(外国船のクルーズを代理で販売する日本の窓口会社)から一時的に派遣される人。そして私のように船会社から直接雇われているケースもあります。 私の場合はこの会社の「レセプショニスト」(ホテルでいうフロント担当)という職種です。MSCクルーズには実にさまざまな国からの乗客がいますので、その国の言葉を話せるスタッフがかなり集められています。 藤原
湯澤さんは日本人乗客の担当なのですか。 湯澤さん
基本的にはそうですね。日本人の方が乗船されたときには、乗下船の説明会を開いたり、食事のメニューや船内新聞の翻訳をします。また船内生活や寄港地での質問や相談があればレセプションにおいでいただいて対応します。体調を崩された方がいらっしゃれば、医務室でドクターとの通訳などもします。 私がこの会社に入った2004年は、MSCオペラが就航し、これから日本人を積極的に受け入れていこうという時でした。MSCクルーズはまだ若い会社だったので、当時はアジアのことを分かっているスタッフがすごく少なかったんです。日本と韓国、中国の言語がまったく違うなんて知っている人もいないほどで(笑)。 そこで日本人のお客様にはどんなサービスが必要でどんなことを準備すればいいか、自分で模索して作り上げてきました。現在はMSCクルーズの船も増え、日本人乗客の多い船に合計5名の日本人スタッフがそれぞれ乗船しています。4年前、私一人で一から作っていくのが大変だったので、当時作った書類やシステムなどは他の日本人スタッフにも「自由にアレンジして使ってね」と渡しています。

日本人乗客の対応に加え、レセプションで三カ国語を駆使!


乗客は十数カ国から。何語で話しかけられても即座に対応する
ガイド
レセプションで湯澤さんを見ていたら、いろんな乗客に対応しているようですが。 湯澤さん
この会社に4年間勤めていますから、日本人乗客の方のフォローをしながら、普通のレセプショニストとしても働いています。現在は日本語、イタリア語、英語、スペイン語のお客様への対応をしています。 藤原
4カ国語ですか! 湯澤さん
基本的な対応は大丈夫なのですが、イタリア語やスペイン語のクレーム対応の場合はやはりネイティブなスタッフに代わってもらいます。反対にイタリア人スタッフでも英語が得意でない場合は私に振ってきますのでお互い様とでもいうのでしょうか(笑)。
例えば、日本人と欧米人ではクレームへの対応も変わってきます。欧米人の方の場合は「船側に不備があったから、こういう解決をしてほしい」と伝えてきます。日本人の方は、「問題があったから客室をアップグレードして」というような内容でなく、不備に対して“謝ってほしい、すまなかったという気持ちを表してほしい”という方が多いのです。
そのあたりの国民性の違いを船側に理解してもらうのも私の仕事ですね。また日本人のご夫婦はダブルベッドでなく、ベッドを離してツインタイプを好まれる方が多いので、そのようなリクエストも事前に担当部署に伝えます。

憧れの日本人スタッフの勤務体制は半年間休みなし!


2007年夏、湯澤さんが勤務していた「MSCオペラ」は5万9,058トン、乗客数は1,712名、乗組員数約720名。乗船する船は季節やコースによって変わる
藤原
湯澤さんはどんな経緯で外国船のスタッフになったのですか。 湯澤さん
大学ではスペイン語専攻だったのですが、スペイン語はあまり使う機会もなく、日本の会社で働いていたこともあります。ある時、アジアの船会社、スタークルーズが日本寄港クルーズを始めるときに、日本人コーディネーターの募集があり、働き始めました。
ところがしばらくして同社の日本寄港クルーズが取りやめになったため、タイのホテルに就職しました。その後、ひょんなきっかけから、アメリカのカジュアル客船会社、カーニバル・クルーズ・ラインで働いていたのですが、その頃にMSCクルーズからお誘いを受け、転職しました。ですから客船で8年間働いていますね。
藤原
勤務体制はどうなっているのですか。 湯澤さん
1日8時間勤務です。日中5時間、夜3時間など時間はシフトでバラバラです。ただ6カ月契約なので半年間、休みは1日もありません。船という特殊な環境であり、部屋も2人部屋なので体を休めるのは、なかなか難しいのですが、プロとして働けるように健康にはかなり気をつけています。 藤原
半年間休みなしですか……。ハードワークであってもこの仕事を続けている理由は何でしょう。 湯澤さん
やっぱり船や船の雰囲気が好きなのでしょうね。6カ月働いて休むという短期集中的な働き方も私に合っているのかもしれません。また、いろんな語学を学びながら働けるという意味でもいい仕事だなと思います。お客様やスタッフと話していけばいくほど、言葉も自分のものになりますし。日本人スタッフという域を超えて、イタリア語を身につければ船の中でも自分なりの働きをしていけるようになり、やり甲斐も感じます。

人気上昇中の日本人スタッフに向いている人とは?


乗客は十数カ国から。何語で話しかけられても即座に対応する
藤原
外国船で働きたいという人も増えていますが、アドバイスはありますか。 湯澤さん
もちろんホスピタリティーは重要なことですが、繊細すぎる性格だと厳しいですね(笑)。あとは日本人の方でも海外の方でも本当にいろんな方がいらっしゃるので、柔軟性のある人ですね。日本人的な考えも理解しつつ、それを外国船のシステムにフィットさせていく適応能力も求められますね。
多くのスタッフとの共同生活なので協調性やルールを守れること、一方で日本人スタッフはやっぱりマイノリティなので、孤独に強い人のほうが向いているかもしれません(笑)。
藤原
プロフェッショナルな湯澤さんでも仕事が嫌になることはあるのでしょうか。

外国客船でも快適に過ごせるのは日本人コーディネーターの努力による部分も大きい
湯澤さん
仕事が苦なことはないですが、さすがに体力的に疲れてくると「マズイな」と思う時はあります。例えば、休暇の直後だったら気にならないようなことでも、疲れてきたら、カチンと感じる場合もあります。頼まれると延長して乗船することもありますが、そんなときは早めに船を下りて休みます。 藤原
なるほど。日本人乗客の快適な外国船クルーズは湯澤さんたちのような日本人スタッフによる支えが大きいことがわかりました。これからも頼もしい日本人スタッフや日本人コーディネーターさんが増えて、私たち日本人がさまざまな外国船でクルーズができるといいですね。ありがとうございました!

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